ヒマラヤ南部から東南アジア、中国南部そして日本にかけて拡がる照葉樹林帯の代表がこのツバキ科の植物です。 世界中にツバキと呼べる種は300を超えて存在し、園芸種としての椿はこれからも増え続けると思われます。植物学的に大きく分けるとツバキ科、ツバキ属の中にツバキ節 Camellia L. Dyer、サザンカ節 Camellia Oleifera Chang、チャ節 Camellia thea L.Dyer と分かれます。
「ツバキ油」に関して言えばこうした植物学的な分け方とは別に日本では食品、化粧品、医薬品で別々に基準があり、一元的な分類が困難になっています。 園芸品種の「椿」はそのほとんどがツバキ(Camellia Japonica:日本固有種)とサザンカ(Camellia Sasanqua:日本固有種)を親として産出され、どの品種も椿と呼ばれています。 中国ではツバキ属を「茶」と総称しています。その中のツバキ節を山茶と呼び、花は山茶花と呼びます。 日本で言う山茶花は茶梅と呼びます。また、種子油を採取するツバキ属の木すべてを油茶と総称し、その油も茶油と総称されます。したがって、上記のツバキ科3節の種子油は中国ではすべて茶油と呼ばれます。 一説には中国峨眉山周辺に自生していたツバキの種が揚子江を下り、韓国、対馬列島、五島列島、九州に漂着し、自生したのではと言われております。 和名ツバキは「厚葉木(あつばぎ)」あるいは「津葉木」(葉につやがある木)といった語源に由来するらしく、漢字「椿」は日本の造字です。中国にも椿という植物がありますが、いわゆる日本の椿とは全く違うものです。 中国同様、ツバキと日本人の関わりも大変に古く、日本書紀や万葉集にも登場し、やがて神道、武道、茶道と深く関わりつつ園芸栽培が発達しました。17世紀、日本のツバキ は欧米の注目を集め、宣教師G. J. Kamellの名から学名Camellia が定められました。ベルディの歌劇「椿姫」などもよく知られています。