|
|
|
|
||||
|
|
||||||
![]() |
Q&A:油脂入門 |
|
|||||
|
|
|||||||
|
油脂は、動植物が酵素の働きで作ります。鉱物油と呼ばれる石油も、実は太古の生物の産物で、すべて生命活動の結果です。その仕組みをあげてみます。 |
|||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
脂肪酸の生合成 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
動物も植物も、炭化水素の断片から脂肪酸を生成します。これが油脂の原点で、多数の酵素による生合成過程です。図は植物の脂質生合成の概略です。 [de Novo Lipogenesis]
|
KAS:3-Ketoacyl-ACPSynthase;
TE: Thio-Esterase; AT:Acyl-Transferase; DS:deSaturase |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
プラスチドは細胞内の小器官です。葉緑素は葉の細胞中にある代表的なプラスチドで 、葉緑素が造った糖の一部が脂質として保存されます。 酵素KAS は中間物質ACPを合成して、炭素を2個づつ追加、繰り返してC18まで作ります。不飽和化酵素:DS.は2重結合を作り 、以下の脂肪酸が生成されます。植物によっては、C10以下の中、短鎖脂肪酸やC20以上の脂肪酸も微量、生成します。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
この合成の仕組みは、不飽和脂肪酸生成により多く光エネルギーを要すること になります。植物の葉に はリノレン酸が多く分布します。たとえば、ほうれん草の脂質は50%前後がリノレン酸です。ただし、長くは保存できません。 一方、種子や実は主としてリノール酸を蓄えるので、果実や穀類にはリノール酸が多く含まれます。 新鮮な野菜や果物は、リノレン酸を多く含むから美味しいのでしょう。その代償として、不飽和結合からの酸化が 速く、鮮度が落ちやすいのが宿命です。 したがって、緑の牧草を食べている牛と、穀物飼料で育てられた牛では、牛乳の味も質も違うわけです。 同様に、養殖魚と天然ものは「脂が違う」ということになります。 *小麦粉、大豆粕などを給餌することが多く、脂は多いがω-3系脂質(EPA、DHA)は少な くなる。対策として、イワシ魚粉を給餌するものもあるようです。 植物油も多くは種子や実からの搾油です。例:大豆油、コーン油など。 くわえて、動物性食材も多くが飼育、養殖と化している今日、人類もリノール酸を多く摂取しがち になっています。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
動物:長鎖脂肪酸の生合成 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
動物の脂質生合成も、大筋は共通です。後半(図の右側)は小胞体に加えてミトコンドリアで合成されます。C24まで延長できますが、12-やω-3不飽和化酵素はありません。>このため、 つまり、C18:2;リノール酸とC18:3;リノレン酸を合成できるのは植物だけです。このふたつを必須脂肪酸と呼び、動物は食物から摂取することになります。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
炭素数20以上の脂肪酸は、動物自身には生成できない必須脂肪酸が出発点です。その代謝産物である長鎖不飽和脂肪酸は、エネルギーというより、生体内信号を伝える伝達物質、あるいは生体機能を調節する生理活性物質としての機能が目立ちます。
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
表の左右、ω-6系脂肪酸とω-3系は別経路ですが、代謝を担う酵素は共通です(表のDS:不飽和化酵素、eLongase:鎖長延長酵素)。 体内では通例、ω-6系が優勢なためω-3系代謝は抑制され 、DPA、DHA産生は微量です。 これが、表のPG:プロスタグランディン:Prostaglandin( PGと略記)生成の偏りを招くという懸念がω3系/ω6系PUFAの摂取バランス の理由のひとつです。[ |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
陸と海の食物連鎖 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
以上は陸上の動植物の話です。海藻類の光合成系ははるかに多様で、大まかに3種に分けられます。 色の違いは、色素つまり光合成の仕組みの違いを意味します。 ・緑藻類:アオサ、ミルなど。基本的に陸上植物と共通 ・褐藻類:ワカメやヒジキなど。フコキサンチンなどの補助色素をもつ ・紅藻類:アマノリ類やテングサ類など 緑藻類は陸上植物の祖先とされ、これが地上の草木が緑色である理由とされます。褐藻類は、海の主役で大規模な海中林をつくり,魚の棲家になったりします。いずれもリノレン酸を含むほか、ワカメやコンブ等はオクタデカテトラエン酸(18:4n-3。表中のEPA前駆体)を含みます。海洋に多い植物プランクトンの珪藻類は、直接にEPAを生成する 種もいるようです。 イワシやマグロに含まれるEPA、DHAも、もとは藻類がつくる脂肪酸からの食物連鎖と代謝によるものです。 海の食物連鎖の頂点で人が捕食することは、まるで生命の歴史をたどるようなものです。やはり、生命は海で生まれたもの。海藻 やお魚を、毎日、食べましょう。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
結局、油脂はどこから.... |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|
すべての油脂は、細胞のなかで生まれたもの。生合成の産物です。ということは、遺伝子情報から生まれた自然の恵み、という結論になります。 |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||