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Q&A:
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酸素分子

酸素原子の電子軌道


 原子番号8のO:酸素原子の電子配置です。
 (1s2)(2s2 2px2 2py1 2pz1 *x,y,zは任意です。
 表にすると
軌道 s px py pz 電子数
L殻 2P 4
2S 2
K殻 1S 2
スピンペア
不対電子
  酸素原子は2p 軌道に不対電子を2個もつラジカルです。 このため、H2O;水や酸化物として存在します。大気中には酸素分子:O2が大量に存在しますが、生物の光合成の産物と 考えられています。
 

H2O 分子

水の酸素原子は、二つの水素原子と電子を共有します。すると

   (1s2)(2s2、2px2、2py1+1、2pz1+1 )

内殻の(1s2)は結合に関与しません。外殻電子は水素の電子2個とあわせて8個。閉殻 状態で安定な分子をつくります。
 軌道の配置は、
共有電子対2本と非共有電子対(ローンペア)2本 の計4本。基本的に炭素のsp3混成軌道と同様で、少し歪んだ正四面体を構成します。水の分子は、ゆるやかなネットワークを構成し 、特異な性質を示します。[ 水相クラスタ]

 O2分子 電子軌道


 二つの酸素原子が作る酸素分子の軌道構成です。

 計10本の軌道は、電子20個で閉殻になります。酸素原子は8電子なので(2原子で16電子)、4電子分の空きが残ります[4電子受容体]。これが酸化や燃焼の原動力です。

 16個の電子は、エネルギー準位が低い軌道から満たし、最上位軌道に空きを残します。
  O2 分子電子配置:
   (s1s)2(s1s*)2
  
(s2s)2(s2s*)2
   
(s2p)2(p2p)4(p2p*)2


 最上位の非結合性軌道(p2p*)の2電子は別軌道の不対電子で 、スピンペアではありません[左図]。これを三重項酸素とよびます

 (p2p*)をスピンペアとするには更にエネルギーを必要とします(*フント則)。つまり、
もっとも安定な基底状態の酸素分子 が三重項酸素です。
 

スピン量子数と三重項酸素


 不対電子は以下のように数えます。n重項とはスピンの状態数=nを指します。
不対電子数 スピン量子数 状態名 状態1 状態2 状態3
0 0 一重項:singlet      
1 1/2 二重項:doublet      
2 1 三重項:triplet  

 三重項は、2個の不対電子の組み合せが3通りあることを示し、bi-radicalと呼ぶこともあります。

一重項酸素: 放射線や強い日光で励起されたとき、(p2p*)の2電子がスピンペア となり、不対電子数ゼロの不安定な酸素分子を生じます。非ラジカルの活性酸素です。
二重項酸素:  三重項酸素を1電子還元(追加)すると陰イオン化して、不対電子数1の二重項ラジカルになります。これをスーパーオキシド・ラジカルと呼びます。
三重項酸素: 上記のように普通の酸素分子で す。分子としてはもっとも安定な基底状態ですが、不対電子をもつことから特異な反応性を示します。
酸化とは

 基礎的な話ですが、
2H2+O2 → 2H2O
  は、水素を酸化して水とエネルギー(熱)を生じる、もっとも基本的な酸化反応です。 このとき酸素は、水素の電子4個を取得(共有)して安定な閉殻分子(水)を作っています。
 言いかえると「電子を与える」あるいは失うことが酸化で、「電子を得る」あるいは共有することが還元です。


  表は、基底状態の酸素分子つまり三重項酸素が、4電子を取得し完全還元する過程です。電子数が奇数のと きラジカルを生じることが重要です。

酸素分子の段階的還元    
  基底状態 3O2 三重項酸素  3O2+HO2-+H+ *1
  1電子還元 O2- スーパーオキシド ラジカル  2O2-+2H+O2+H2O2 *2
  2電子還元 H2O2 過酸化水素  (HO-HO) *3
  3電子還元 OH ヒドロキシラジカル  HO+HH2O  
  4電子還元 H2O    
表記: :不対電子  -:陰イオン
*1:3O2の非結合性軌道:p2p*のひとつがスピンペアとなって二重項になる.
*2:生体内では、酵素SOD:スーパーオキシドディスムターゼによる還元。
*3:生体内では、金属触媒による。フェントン反応。
*4:以上全体では:  2H2+O2 → 2H2O
 
生体内の酸化

  細胞内では、ミトコンドリア中の呼吸鎖が糖や脂肪酸のエネルギーをATPに変えて提供します。これは代謝酵素による脱水素過程ですが、酸素分子についてみれば4電子還元で す(上の表)。つまり、酸素が4電子受容体であることが、ほとんどの生命を維持する基本メカニズム になっています。 [ 代謝経路:呼吸鎖]
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