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Q&A:
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油脂はどこから

 物質は原子からなり、原子は+の電荷をもつ原子核と−電荷の電子で構成されています。原子の集まりである分子も 電子の力で結合しています。
原子核と電子
引力
  原子核相互の
斥力(反発)

電子とは


 電子は濃淡のある雲にたとえられます。雲の形を軌道と呼びます。

電子にはスピンという属性があり、アップかダウンのどちらかです。±1/2と記します。
1本の軌道に電子は2個まで属します。普通は逆スピンの組み合わせ(↑↓)で、スピン運動量0の安定状態になっています。これをスピンペアと呼びます。
電子が1個しかないとき不対電子と呼びます。この状態をラジカル:radicalと呼び、不安定で 強い反応性を示します。

軌道:Orbital とは電子の存在確率の空間分布です。雲の濃淡は確率の高低に相当します。 その確率を示すのが波動関数ですが、水素原子をモデルとして
シュレディンガー;Schrödinger方程式 から得られます。

水素型原子の軌道モデル


  Schrödinger方程式の解は無数にあり、それぞれ雲の形も違います。下の表はその一部で、電子数1から10まで、つまり元素周期表の第1周期、第2周期の原子に属する雲の形です。油脂をつくる 元素(炭素、水素、酸素)もここに含まれます。
 
階層 主殻 副殻 形状

2

L殻

2p

x

y

z

2s

1

K殻

1s

軌道の形
s軌道: 原点からの距離だけで分布確率が決まる形状。球です。
p軌道: x,y,z各軸方向の分布 。三角関数cosを極座標で描いた形です。

殻構成
・第1層 K殻  s軌道1本のみ。
・第2層 L殻  s軌道1本とp軌道3本 計4軌道。
L殻4軌道を重ねて見ると

 水素原子は軌道1sに1電子が属し、ヘリウム;Heは1sに2電子属します。軌道2sから第2周期の元素です。
 
 閉殻構造と反応性

 K殻やL殻について、電子軌道に空きがないことを閉殻と呼びます。上記から
階層 副殻 軌道数 電子数 閉殻電子数
2 L殻 2P 3 6 (8) 10個
2S 1 2
1 K殻 1S 1 2 2個
 第1層(K殻)は2電子で閉殻です。第2層(L殻)は4軌道、8電子で満員。第1層とあわせて電子数10で1、2層とも満員の閉殻です。原子番号2(電子数2)のHe:ヘリウムと原子番号10(電子数10)のNe;ネオンは閉殻です。

 軌道に空きがあれば、他の原子から電子を取得するか、共有して軌道を満たします。つまり、化学反応を起こして分子を作ります。空きがない閉殻原子は、安定で反応性がな く不活性元素と呼ばれます。
 
水素分子H2 

 水素原子:H [原子番号1]は、1s軌道に電子を1個もつラジカルです。 このため、単体で自然に存在することはなく、水素2原子が互いに電子を共有することで
H2分子を作ります。H2は閉殻で安定で 、もっともシンプルな分子です。 
原子軌道から分子軌道へ
 分子には二つ以上の中心(原子核)があります。 つまり分子軌道は原子の電子軌道とは異なり、新たに波動関数を求めることになりますが、おおよそ図のようになります。原子軌道:AO、分子軌道:MOと略記します。
 
 1s軌道合成  
水素型AO:1s 接近。電子共有 結合性MO:σ 非結合性MO::σ*
 
 2本の原子軌道(各2電子)が結合すると、分子軌道も2本生じます。
図の結合性軌道σと非結合性軌道σ*です。σ(シグマ)は結合の軸方向の軌道を指します。結合性軌道は二つの原子核の間に分布し、誘引力を生じます。非結合性軌道はその逆側に分布して反発力を生じます(逆位相)。
 
 水素分子の場合、2原子合計で2電子なので結合性軌道のみ生じ、非結合性軌道は空です。
 ちなみに、He:ヘリウム(電子数2)の場合、2原子計4電子で結合性と非結合性の両軌道を生じることになり、互いに打ち消しあうので結合しません。 これがヘリウムが不活性であることの量子化学的な解釈です。

排他原理:宇宙の陰陽律?


 余談です。スピンは、物質を構成する素粒子(フェルミ粒子)に共通する属性で「Pauliの排他原理」に従うものとされます[1945年ノーベル物理学賞]。
 これは、(量子レベルで)同一状態の素粒子が、同じ場所同じ時刻に二つとは存在しえないことを意味します。逆に、もし排他的ではない宇宙があ るとすると、素粒子も原子も判別不能などろどろ状態にちがいありません。排他原理は、物の存在にかかわる根本原理のひとつと考えられます。
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